リターゲティング広告とは、過去に自社サイトを訪れた人など、すでに接点のあるユーザーへ再び広告を届ける手法です。商品やサービスを思い出してもらい、再訪問や購入、問い合わせにつなげることを目指します。

ただし、サイトを訪れた全員に必ず広告を出せるわけではありません。また、訪問履歴があるだけで、購入する意思が強いとも限りません。誰に、何を伝え、どの行動につなげるかを決めてから配信を設計することが大切です。

この記事では、サイト訪問者への配信を中心に、リターゲティングの仕組みと開始前の確認事項、配信後の見直し方を解説します。

この記事の目次
  1. リターゲティング広告は、過去の接点を使う配信手法
  2. リマーケティングとの呼び方の違い
  3. ディスプレイ広告や検索広告と対立する分類ではない
  4. サイト訪問から広告表示までの仕組み
  5. 始める前に、対象・除外・期間を決める
  6. 除外は、今回の目的に合わせる
  7. 対象に含める期間と、表示回数を分ける
  8. タグ・配信可能人数・配信範囲を確認する
  9. 必要なデータと成果を確認できるか
  10. 利用する媒体の人数要件を満たすか
  11. 訪問者だけに限定する設定になっているか
  12. 配信後は、成果と表示頻度を分けて見直す

リターゲティング広告は、過去の接点を使う配信手法

例えば、サービス紹介ページを読んだものの、申し込まずに離れた人へ、後日そのサービスの広告を表示する使い方があります。一度の訪問で決めきれなかった人に、検討を再開するきっかけをつくるイメージです。

リマーケティングとの呼び方の違い

リマーケティングも、広告の説明では過去に接点のあった人へ再アプローチする意味で使われます。Google広告では、以前「リマーケティング」と呼ばれていた機能を「データ セグメント」などの名称で案内しています。

名称だけで同じ設定だと判断せず、どのデータを使い、誰が配信対象になる機能なのかを確認しましょう。この記事では、その中でも自社サイトへの訪問履歴を使う配信を扱います。

ディスプレイ広告や検索広告と対立する分類ではない

ディスプレイ広告は、Webサイトやアプリなどの広告枠に掲載される広告です。一方、リターゲティングは「どのユーザーへ配信するか」という考え方を示します。

そのため、ディスプレイ広告で過去の訪問者を対象にすることも、検索広告で訪問履歴を活用することもできます。「ディスプレイ広告とリターゲティング広告のどちらか一つ」と考える必要はありません。

掲載先や広告形式の基礎は、ディスプレイ広告と検索広告の違いも参考にしてください。

サイト訪問から広告表示までの仕組み

基本は、サイト上の行動を広告配信に利用できる状態にし、条件に合うユーザーをまとめて配信対象として扱う流れです。Google広告では、Googleタグなどを使って訪問に関するデータを収集し、データ セグメントを作成します。

  1. サイトのデータ収集と広告利用に必要な設定を行う
  2. サービスページの閲覧など、対象にする行動を決める
  3. 条件に合うユーザーのセグメントを作成する
  4. そのセグメントを広告配信に利用する
  5. 利用できる広告枠で、配信条件を満たしたときに広告が表示される

リストに入った人すべてへの表示や、訪問直後の表示が保証される仕組みではありません。データを利用できる状態か、配信に必要な人数を満たすか、広告の掲載条件が整っているかなどにも左右されます。

また、訪問履歴を使うだけで、見た商品が自動的に広告へ表示されるとは限りません。閲覧した商品情報を広告に反映する「動的リマーケティング」は、通常の配信対象の指定とは区別して準備します。

始める前に、対象・除外・期間を決める

初めから細かいリストを大量に作るよりも、目的に必要な対象を整理しましょう。次の表は、サービスへの問い合わせを増やしたい場合の設計例です。実際の成果や利用者の心理を示すデータではありません。

対象の候補広告で補う情報の例除外・切り分けの例
サービス紹介ページの訪問者支援内容や利用の流れ問い合わせを完了した人
料金ページの訪問者料金に含まれる業務や条件申し込みを完了した人
採用ページだけの訪問者求人の案内顧客向けの配信とは分ける

閲覧したページは、検討状況を考えるための手がかりです。「料金を見たから購入直前」と決めつけず、広告で伝える内容の仮説として使います。広告の説明と、クリック後のページの内容もそろえてください。

除外は、今回の目的に合わせる

新しい申し込みを増やす配信であれば、すでに申し込んだ人を除外する設計が候補になります。購入後の追加商品を案内したい場合は、購入者を別の対象として扱う考え方もあります。

購入済みだから必ず除外するという一律のルールではなく、今回届ける広告がその人に必要かどうかで整理しましょう。完了者を識別する条件が正しく取得できているかも確認が必要です。

対象に含める期間と、表示回数を分ける

訪問してから何日間を対象にするかは、商品・サービスの検討期間を踏まえて決めます。短期間で判断されるものと、比較や社内相談に時間がかかるものでは、同じ期間が適切とは限りません。

この対象期間と、同じ人へ何回表示するかという「表示頻度」は別の設定・確認事項です。長く対象に含めることと、何度も広告を見せることを混同しないようにしましょう。

タグ・配信可能人数・配信範囲を確認する

配信対象を決めたら、その条件を実際に設定・検証できるか確認します。主な確認点は次の3つです。

必要なデータと成果を確認できるか

対象ページへの訪問と、購入・問い合わせの完了を、設計した条件で捉えられるか確かめます。タグを設置しただけで作業を終えず、対象のデータが取得され、想定したセグメントへ反映されているかを確認しましょう。

データの収集・利用方法、利用者への案内や同意の扱い、利用する広告媒体のポリシーも確認します。広告利用できないデータまで、配信対象の人数に含めて考えないことが大切です。

利用する媒体の人数要件を満たすか

Google広告のディスプレイ ネットワークでは、データ セグメントの過去30日間のアクティブ ユーザー数が100人以上であることが要件です。ただし、これはGA4で表示されるサイト全体の合計ユーザー数と同じ数ではありません。

人数は、利用するネットワークでリーチできるセグメントのサイズで確認してください。100人という条件を他の媒体へそのまま当てはめたり、条件を満たせば必ず配信されると判断したりするのは避けましょう。

訪問者だけに限定する設定になっているか

Google広告の「最適化されたターゲティング」は、手動で選んだセグメント以外へ配信を広げる機能です。セグメントを指定しただけでは、訪問者だけに限定した配信にならない場合があります。

再訪問を促す配信と、新しいユーザーへ広げる配信のどちらを行いたいのかを整理し、使用するキャンペーンの配信範囲を確認してください。

配信後は、成果と表示頻度を分けて見直す

まずは広告費、購入・問い合わせなどのコンバージョン数、1件の獲得にかかった費用であるCPAを確認します。そのうえで、クリック率、クリック単価、コンバージョン率を見て、どの段階で課題が起きているかを調べます。

表示頻度も別に確認しましょう。同じ人への表示が増えているのに成果が伸びていない場合は、対象期間、広告で伝える内容、除外条件、予算の配分を見直す材料になります。誰にとっても正しい回数を固定するのではなく、配信結果と広告の必要性を踏まえて判断します。

また、リターゲティングのCPAが低いからといって、予算を増やせば同じ効率で成果が増えるとは限りません。すでに接点のある人へ配信する施策なので、見かけの効率だけでなく、追加費用に対して成果がどう変わるかも確かめることが大切です。

始めるときは、対象にする人、除外する人、対象期間、広告で補う情報、評価する成果を一つの表にまとめてみてください。設定前に整理しておくと、配信後に何を見直すべきかも判断しやすくなります。

Allyでは、広告の初期設定から配信・改善まで支援しています。自社の訪問状況に合う配信方法や計測の準備で迷う場合は、広告運用について相談するからお問い合わせください。