リスティング広告を始めるとき、「月にいくら用意すればよいのか」と迷うことがあります。広告媒体に払う金額だけを見ていると、運用やページ制作にかかる費用を計画から落としてしまいがちです。
必要な予算は、商品や配信条件、目指す成果によって変わります。まず費用の内訳を分け、成果目標とクリック数の見込みから試算しましょう。この記事では、検索結果に表示される広告を対象に、導入前の見積もり方を解説します。
この記事の目次
リスティング広告の費用は、媒体費・運用費・制作費に分ける
予算を考える際は、「広告配信に使う金額」と「運用を進めるために使う金額」を分けます。見積もりに書かれた月額が、どの費用を含むか確認してください。
| 費用の区分 | 主な内容 | 確認したい点 |
|---|---|---|
| 媒体費 | 広告の配信に使う費用 | 運用費とは別にいくら確保できるか |
| 運用費 | 設定・分析・改善などを依頼する費用 | 月額料金に含む業務と追加費用 |
| 制作・計測の準備費 | 広告文やリンク先ページ、計測の準備 | 初回だけか、継続して必要か |
自社で運用する場合も、担当者の作業時間や制作の負担は残ります。委託費がかからないことと、運用全体のコストがないことは同じではありません。
初月にページを作る場合は、初期の制作費と毎月の費用を別々に集計すると見通しが立ちます。税込・税別、修正の範囲、必要な素材の用意もそろえて確認しましょう。
クリック課金では、単価とクリック数で媒体費が変わる
検索広告の基本となるクリック課金では、広告がクリックされると媒体費が発生します。クリックされた後に問い合わせがなくても、クリックに対する費用はかかります。
1クリックの料金は一律ではない
クリック単価は、どの商品でも同じ金額になるわけではありません。Google広告では、オークションの競争状況や広告の品質、検索時の状況などが実際の単価に関係します。
費用の試算では、「平均クリック単価×クリック数」で媒体費を求めます。平均クリック単価はCPCとも呼ばれ、クリックにかかった費用の合計をクリック数で割った値です。入札時の設定額と、実際の平均単価を混同しないようにしてください。
たとえば平均CPCが250円で400回クリックされた場合、媒体費は10万円です。これは計算を説明するための仮の数値で、業界の相場やAllyの運用実績ではありません。
少額で始めるときは検証する範囲を絞る
予算を小さくするなら、最初に確かめたい商品や地域を絞る方法があります。限られた費用を多くの対象に分散させると、対象ごとの反応を判断しにくくなります。
一方、対象を狭めるだけで成果が出るとは限りません。見込める検索やクリックの量も確認し、必要なデータが集まるか考えましょう。配信前の予測は、実際の掲載結果を保証する数字ではありません。
成果目標とクリックの見込みから予算を見積もる
最初に、何を成果として数えるか決めます。問い合わせ送信の完了をコンバージョン(CV)にする場合と、購入をCVにする場合では、同じ20件でも事業上の意味が違います。問い合わせを受注と同じものとして計算しないことが大切です。
目標CPAと想定CVRの両方から確かめる
1件のCVにかけたい媒体費を目標CPA、得たい件数を目標CV数とすると、「目標CPA×目標CV数」で予算案を計算できます。目標CPAが5,000円で月20件を目指すなら、媒体費の案は10万円です。これも仮の例で、10万円を使えば20件取れるという約束ではありません。
次に、クリックからCVに至る割合であるCVRと、想定CPCから同じ計画を確かめます。必要クリック数は「目標CV数÷想定CVR」、必要媒体費は「必要クリック数×想定CPC」です。5%は0.05として計算します。
以下は月20件のCVを目指す場合の仮の試算です。CVRやCPCが変わったときの負担を比べるための表であり、成果予測の実測値ではありません。
| 仮の条件 | 必要クリック数 | 必要媒体費 |
|---|---|---|
| CPC250円・CVR5% | 400回 | 10万円 |
| CPC500円・CVR5% | 400回 | 20万円 |
| CPC250円・CVR2.5% | 800回 | 20万円 |
CPCが高い場合とCVRが低い場合の2例では、試算上のCPAは1万円です。目標CPAの5,000円を超えています。資金を増やすだけで解決しようとせず、単価やCVRの前提、成果の定義、事業として許容できるCPAを見直しましょう。
過去の配信データがなければ、初めから精度の高いCVRを置くのは難しいものです。想定が未確認であることを残し、複数の条件で試算して、どこまで試せるかを決めておきます。
配信後は広告費・CV数・CPAから計画との差を見る
配信を始めたら、同じ期間の広告費・CV数・CPAを先に確認します。予算を消化したことだけで成功とは判断せず、目指した問い合わせや購入につながったかを見てください。
差があれば、CTR(クリック率)・CPC・CVRを使って原因を探します。クリックが少ないのか、単価が想定より高いのか、クリック後の申し込みが少ないのかで、見直す内容は変わります。
Google広告の検索語句レポートでは、広告の表示につながった語句を確認できます。商品との関連性が低い検索に費用を使っていないかを点検し、除外候補を検討します。申込みが少ない場合は、ページの内容や計測にも問題がないか確かめましょう。
なお、Google広告の1日の平均予算は、毎日その金額で止まる固定上限ではありません。使っている予算タイプや途中の変更によって扱いも異なるため、月全体の見通しと分けて管理します。
日予算の設定と変更時の注意点は、Google広告の1日の平均予算を解説した記事で確認できます。
相談前に総予算と試算の前提をまとめる
広告運用を相談するときは、使える総額、媒体費に充てたい額、増やしたい成果、商品と対象地域をまとめましょう。過去の広告費やCV数があれば、同じ期間のデータを添えると計画を比べやすくなります。
見積もりでは、初月と継続月に支払う金額を分けて聞いてください。想定のCPC・CVR・目標CV数が共有されていれば、配信後にどの前提を見直すかも相談できます。
依頼する業務や見積もりの比較点は、広告運用の外注を解説した記事にまとめています。
Allyでは、広告の初期設定から配信後の改善までご相談いただけます。予算に迷っている方は、現在の状況と目指す成果をお聞かせください。