Google検索広告の準備を進めると、「キャンペーン」と「広告グループ」という言葉が出てきます。どちらも広告をまとめる単位ですが、分ける目的は同じではありません。

予算や配信地域などの条件を分けたいならキャンペーン、検索する人に伝える内容を整理したいなら広告グループ、という順で考えると理解しやすくなります。

この記事では、キーワードを使った検索広告を初めて作る方に向けて、アカウントの構造と分け方を解説します。管理画面を操作する前に、広告の設計図を整理していきましょう。

この記事の目次
  1. 検索広告の基本は三つの階層
  2. キャンペーンは配信条件を分けたいときに分ける
  3. 広告グループを分けても、専用の予算枠にはならない
  4. 広告グループは検索意図と伝える内容でまとめる
  5. 架空の英会話教室で構成を考えてみよう
  6. 配信条件は共通、案内する内容は分ける
  7. コースごとに予算を管理したくなったら
  8. 初期設計で避けたい二つの整理のしかた
  9. 違うサービスを一つに詰め込む
  10. 分ける理由がないまま細かくする
  11. 配信前は構成と計測をセットで確認する

検索広告の基本は三つの階層

Google広告は、アカウント、その中のキャンペーン、さらにその中の広告グループという階層で整理できます。検索広告では、広告グループに関連するキーワードと広告をまとめます。

  • アカウント:広告運用全体を管理する場所。利用するユーザーや支払いに関する情報を管理します。
  • キャンペーン:予算や配信地域など、配信の条件を設定する単位。
  • 広告グループ:共通するテーマのキーワードと広告をまとめる単位。

この構造を把握すると、「広告文を変えたい」「地域ごとに費用を管理したい」といった目的に応じて、どこを見直せばよいかがわかります。

キャンペーンは配信条件を分けたいときに分ける

キャンペーンを分けるか迷ったら、予算や配信地域を別々に管理する必要があるかを考えます。

たとえば、同じ会社が二つの店舗を運営していて、店舗ごとに広告費の配分と配信地域を変えたい場合。それぞれのキャンペーンを作ると、店舗ごとの条件を整理しやすくなります。

一方、同じ地域に配信し、予算も共通でよいなら、サービス名が違うという理由だけでキャンペーンを増やす必要はありません。次に説明する広告グループで、伝える内容を整理できるかを考えましょう。

広告グループを分けても、専用の予算枠にはならない

通常の検索広告では、広告グループを分けたからといって、それぞれに独立した予算が割り当てられるわけではありません。「このサービスには別の予算を確保したい」という要望は、キャンペーンの設計で扱う論点です。

なお、複数のキャンペーンで予算を共有する設定もあります。キャンペーン名が分かれているかだけでなく、実際の予算設定まで確認することが大切です。

広告グループは検索意図と伝える内容でまとめる

広告グループでは、検索する人の目的に対して、関連するキーワード・広告文・リンク先ページをそろえることを意識します。

判断のために、次の三つを書き出してみてください。

  • その人は、何を探して検索するのか。
  • 広告で、どのサービスや特徴を伝えるのか。
  • クリック後、どのページなら疑問に答えられるか。

たとえば「大人向けの初心者英会話」と「子ども向けの英会話」では、検討する人も知りたい内容も違います。同じ教室でも、広告文や案内するページを分ける意味があるでしょう。

反対に、語句が少し違っていても、同じサービスを探し、同じ説明で応えられるなら、同じ広告グループにまとめることが候補になります。文字の違いだけで機械的に細分化する必要はありません。

架空の英会話教室で構成を考えてみよう

ここでは、同じ地域で大人向けと子ども向けのレッスンを提供する、架空の英会話教室を例にします。広告の目的は体験申込みで、両コースの予算は共通と仮定します。

配信条件は共通、案内する内容は分ける

まず、検索広告のキャンペーンを一つ作り、その中に次の二つの広告グループを設ける案が考えられます。

  • 大人の初心者向け:想定する検索は「地域名 英会話 初心者」。広告では大人向けの内容を伝え、大人コースの案内ページにつなぐ。
  • 子ども向け:想定する検索は「地域名 子ども 英会話」。広告では対象年齢やレッスン内容を伝え、子どもコースの案内ページにつなぐ。

ここで挙げた語句は、構成を考えるための例です。そのまま登録すれば必ず狙った検索だけに広告が出る、という意味ではありません。実際のキーワードやマッチタイプは、別途検討が必要です。

コースごとに予算を管理したくなったら

「子どもコースの募集費用を別枠で管理したい」という条件が加わったら、キャンペーンを分ける案を検討します。このように、先に分ける数を決めるのではなく、管理したい条件から構成を考えると判断がぶれにくくなります。

これは設計例の一つです。どの事業にも当てはまる唯一の正解ではないため、サービスの内容や運用体制に合わせて調整してください。

初期設計で避けたい二つの整理のしかた

違うサービスを一つに詰め込む

関連性の低いキーワードを一つにまとめると、すべてに応えようとして広告文が抽象的になりがちです。検索する人が知りたい内容と、広告やリンク先の説明がつながっているかを見直しましょう。

分ける理由がないまま細かくする

細分化すると、確認する設定や広告文も増えます。分けた後に何を変えるのか説明できない場合は、同じテーマとしてまとめられないか考えてみてください。

管理しやすさのために、「検索_店舗名」「大人初心者」のような命名ルールを用意するのも一案です。名前そのものに広告成果を高める効果があるわけではありませんが、設定箇所の取り違えを防ぐ助けになります。

配信前は構成と計測をセットで確認する

作成前に、キャンペーンごとの予算・配信地域、広告グループごとのテーマ・広告文・リンク先を一覧にすると、抜けや重複を見つけやすくなります。

あわせて、成果として数える行動も確認してください。体験申込みが目的なら、何をもって申込み完了とするかをそろえておく必要があります。計測の準備は、Google広告のコンバージョン設定で詳しく解説しています。

配信後は、まず広告費・コンバージョン数・CPAから成果を確認し、次にCTR・CPC・CVRを見て改善の手がかりを探します。アカウント全体だけでなく、キャンペーンや広告グループごとに見れば、どこで課題が起きているかを整理できます。

構成づくりの出発点は、「配信条件を分ける必要があるか」「検索する人に伝える内容が違うか」の二つです。まずはこの観点で、扱うサービスを書き出してみましょう。