「問い合わせを増やしたいのに、広告から何件につながったのかわからない」。配信を始める前に整えたいのが、コンバージョンの計測です。

コンバージョンとは、購入や問い合わせなど、広告の成果として数える行動のこと。設定では、何を成果にするか、どのタイミングで数えるか、正しく動くかの順に整理すると迷いにくくなります。

この記事では、自社サイトへの集客を想定し、Google広告のコンバージョン設定で押さえたい考え方と確認の流れを解説します。まずは設定全体を理解したい方に向けた内容です。

この記事の目次
  1. 最初に「成果」と「途中の行動」を分ける
  2. LINEボタンのクリックと友だち追加は別の行動
  3. サイトの仕組みに合わせて計測方法を選ぶ
  4. 申込み完了ページへの到達を測る
  5. クリックや送信成功のイベントを測る
  6. Google広告とサイト側で必要な設定を整理する
  7. Google広告側で決める項目
  8. サイト側で計測を実装する
  9. 配信前に、成功する操作と失敗する操作をテストする
  10. 配信後は、計測の定義をそろえて数字を見る
  11. まずは計測する行動を一文で決めよう

最初に「成果」と「途中の行動」を分ける

たとえば、体験レッスンの申込みを増やしたい架空の英会話教室を考えてみましょう。料金ページの閲覧、申込みボタンのクリック、フォーム送信完了は、どれも異なる行動です。

この場合、申込みの獲得状況を判断する中心になるのはフォーム送信完了。料金ページの閲覧やボタンクリックは、申込みまでのどこで離脱しているかを考える材料になります。

途中の行動も計測できますが、すべてを「申込み件数」として合算しないことが大切です。まず増やしたい成果を定め、その手前の行動は別の名前で記録しましょう。

LINEボタンのクリックと友だち追加は別の行動

サイトにあるLINEへのリンクが押されても、その後に友だち追加されるとは限りません。同じように、電話ボタンのクリックだけでは、通話が成立したか、予約につながったかまではわかりません。

クリックを測る設定なら「LINEボタンクリック」「電話ボタンクリック」と名づけ、登録完了や問い合わせ成立と区別します。実際の登録・予約数も確認できる場合は、別途管理して照らし合わせると、広告の先で起きていることを把握しやすくなります。

サイトの仕組みに合わせて計測方法を選ぶ

ここでは、ウェブサイトでよく使う二つの考え方を紹介します。コンバージョンの測定方法が、この二つだけに限られるわけではありません。

申込み完了ページへの到達を測る

送信が成功した人だけに専用の完了ページが表示されるなら、そのページの表示を計測する方法が候補になります。条件に使うURLが、実際の完了ページと一致しているかを確認してください。

入力画面や確認画面への到達を数えても、送信完了の件数にはなりません。また、完了ページを直接開ける場合や再読み込みした場合にどう動くかも、テストしておきたいポイントです。

クリックや送信成功のイベントを測る

ボタンやリンクのクリックは、その操作をきっかけに計測できます。ただし、フォームでは「送信ボタンを押した」と「送信が成功した」を分けて考える必要があります。入力エラーが起きてもボタンは押せるためです。

送信後もURLが変わらないフォームなどは、送信成功時のイベントを利用できるか、サイトの制作担当者に確認しましょう。画面の見た目だけで判断せず、実際の動作に合わせて設定することが重要です。

Google広告とサイト側で必要な設定を整理する

作業の役割は、大きく「Google広告側で成果のルールを決めること」と「サイト側で対象の行動を検知して送ること」に分かれます。

Google広告側で決める項目

  • 計測する行動と名前:「体験申込み完了」など、何を数えるかがわかる名称にする。
  • メイン・サブの扱い:運用で重視する成果と、途中経過として観察する行動を整理する。
  • カウント方法:同じ広告操作後に複数回行動した場合、どのように数えるかを決める。
  • 値や計測期間:成果の価値と、広告操作からどれくらいの期間を対象にするかを確認する。

Google広告では、標準の目標を使う場合、メインのコンバージョンアクションは、その目標を入札に使うキャンペーンで最適化の対象になります。サブは通常、観察用です。ただし、カスタム目標に含めたサブは入札にも使われるため、名称だけでなくキャンペーン側の目標も確認しましょう。

カウント方法には「初回のみ」と「全件」があります。問い合わせなどでは初回のみ、購入ごとに価値がある場合は全件を検討します。なお、初回のみは「その人を永久に1件しか数えない」という意味ではなく、広告操作に対する数え方の設定です。

サイト側で計測を実装する

Googleタグや必要なイベントの設定を、サイトに直接実装する方法と、Googleタグマネージャー(GTM)などを使う方法があります。GTMは、タグと、そのタグを動かす条件である「トリガー」を管理するツールです。

まず既存のタグと管理者を確認し、すでにある設定を重ねて追加しないようにします。広告アカウントだけでなく、サイトやGTMを編集できる担当者との連携も必要です。

利用する予約フォームなどが外部サービスの場合は、タグ設置や成果データの連携に対応しているかを確認してください。自分でタグを置けないことだけを理由に、あらゆる計測が不可能だと決めつける必要はありません。

配信前に、成功する操作と失敗する操作をテストする

タグを保存しただけでは、設定が正しいとは判断できません。GTMを利用する場合はプレビューからTag Assistantを開き、実際のサイトで操作して、想定した条件でタグが動くかを確かめます。

  • 申込みが成功したときに、対象のタグが動くか。
  • 入力エラーや途中離脱では、完了として計測されないか。
  • 別のボタンや別のページで、誤ってタグが動かないか。
  • 完了ページの再読み込みや二重送信で、意図しない重複が起きないか。
  • スマートフォンでも、同じように操作・送信できるか。

確認後はGTMの変更を公開し、本番のサイトでも動作を確かめます。プレビューで問題がなくても、公開していなければ通常の訪問者には変更が反映されません。

Google広告側のトラッキングステータスも確認しましょう。タグが動いたことと、広告経由の成果がレポートに計上されたことは別の確認です。広告を経由しないテスト操作だけで、広告のコンバージョン数が増えるとは限りません。

配信後は、計測の定義をそろえて数字を見る

配信後は広告費・コンバージョン数・CPAを確認し、そのうえでCTR・CPC・CVRから改善の手がかりを探します。ここで、何をコンバージョンとして数えたかが途中で変わると、単純な前後比較はできなくなります。

たとえば、以前はボタンクリック、今は申込み完了を測っているなら、CPAの変化だけで広告の良し悪しは判断できません。変更日と計測内容を残し、同じ条件の数字を比べましょう。

基本指標の整理は、CTR・CPC・CVR・CPAと改善の考え方でも解説しています。

まずは計測する行動を一文で決めよう

最初の一歩は、「体験申込みフォームの送信が成功した時点を、申込み完了として数える」のように、計測対象を具体化することです。

その定義をもとにサイトの仕組みを確認し、Google広告側の設定、タグの実装、動作テストへ進めます。成果の意味と計測の条件をそろえておくことが、その後の広告改善を支える土台になります。