「Google広告やMeta広告を始めたいけれど、何から準備すればよいのかわからない」。初めて広告を担当するときは、アカウントの作り方や設定項目に目が向きがちです。
ただ、設定を進める前に整理したいのが、誰に何を伝え、どの行動につなげるかという方針。ここが曖昧なままでは、配信後の数字を見ても、うまくいっているか判断しにくくなります。
この記事では、自社の商品・サービスの集客を始めたい方に向けて、広告運用の初期設定前に決めておきたい6つの項目を整理します。
この記事の目次
広告運用は「準備・設定・改善」の順に進める
広告運用には、配信の方針を決める準備、アカウントや計測の設定、配信結果を踏まえた改善という流れがあります。最初にすべての機能を覚える必要はありません。まずは、成果を判断する基準を用意しましょう。
たとえば「問い合わせを増やしたい」という目的でも、対象地域、問い合わせ後の契約率、受け入れられる件数によって配信の考え方は変わります。広告の設定は、事業の状況とセットで考えることが大切です。
広告で増やしたい行動を決める
最初に決めるのは、広告を見た人にどの行動を取ってほしいかです。商品購入、体験申込み、資料請求など、事業につながる具体的な行動に落とし込みます。
広告では、こうした成果として設定する行動を「コンバージョン(CV)」と呼びます。Google広告でも、購入や問い合わせなど、ビジネス上価値のある行動を測定対象として選べます。
「認知を広げる」のか「申込みを獲得する」のかも整理しておきたい点です。この記事では、主に問い合わせや申込みの獲得を目的とした広告を扱います。
届けたい相手と、その人が迷う理由を整理する
「30代女性」のような属性だけでなく、どんな場面でサービスを必要とするのかを考えます。年齢や性別が同じでも、求めているものは一人ひとり違うためです。
架空の英会話教室を例にすると、「仕事で英語が必要になったが、平日は通学時間を取りにくい人」なら、夜間の開講時間やオンライン対応が判断材料になります。一方、資格試験に備えたい人には、学習内容や試験対策の情報が必要でしょう。
整理する項目は、現在の悩み、これまで試したこと、申込みをためらう理由の3つ。実際の問い合わせ内容や接客時の質問も、広告で伝える内容を考える手がかりになります。
広告で伝える強みと、遷移先の内容をそろえる
広告文やバナーで興味を持ってもらえても、クリック先に必要な情報がなければ申込みにはつながりにくくなります。広告と、クリック後に表示されるページ(LP)の内容をそろえましょう。
たとえば「仕事帰りに通える」と伝えるなら、LPでも開講時間やアクセスをすぐ確認できる状態が理想です。料金、サービス内容、申込み方法といった判断材料も欠かせません。
最初から大量の広告を作るより、どの強みを伝えるかを絞り、その根拠となる情報を用意する方が見直しやすくなります。広告文・画像・LPを、ひと続きの案内として確認してください。
予算と、成果1件にかけられる費用を決める
予算は、広告に使える金額だけで決めず、獲得した成果がどの程度の利益につながるかも踏まえて考えます。ここで役立つのが、成果1件あたりの広告費を表す「CPA」です。
問い合わせの獲得が目的なら、問い合わせ後の成約率も必要な情報です。仮に成約1件から広告費を差し引く前に確保できる利益が2万円、問い合わせからの成約率が20%なら、問い合わせ1件あたりの期待利益は4,000円になります。
これは説明用の仮定であり、目標CPAを4,000円に設定すればよいという意味ではありません。実際には営業対応の費用や残したい利益を考慮し、余裕のある目標を検討します。継続購入を見込む場合も、根拠のない売上予測を前提にしないことが大切です。
月の広告費に加え、制作費や運用代行費を含むか、いつ予算を見直すかも先に決めておくと、判断がぶれにくくなります。
何を、どのタイミングで計測するか決める
同じ「問い合わせ」でも、ボタンを押した段階と、フォーム送信を完了した段階は別の行動です。Google広告ではリンクやボタンのクリックも測定できますが、その数字が申込み完了を表しているとは限りません。
LINEへの誘導も同様です。LINEへ移動するボタンのクリックを測る場合は、友だち追加や相談の完了と区別して記録しましょう。レポートの項目名にも、実際に測っている行動を明記すると誤解を防げます。
配信前には、誰がサイトを編集できるか、計測設定を担当するのは誰か、テスト時に意図した行動が記録されるかを確認します。途中のボタン操作と完了時の成果を、同じものとして重複集計しない設計も必要です。
確認する数字と、改善の進め方を決める
配信後は、広告費だけでなく、クリック数、コンバージョン数、CPAなどを同じ期間で確認します。成果が少ない段階では1件の増減で数値が大きく動くため、短期間の変化だけで結論を出さないようにしましょう。
クリックされないなら広告文や画像、クリックされても申込みにつながらないなら配信対象やLP、フォームなどを点検する、という順で仮説を立てます。ただし、数字だけで原因を断定せず、まず計測の不具合がないかも確認してください。
変更した日、変更内容、狙いを簡単に残しておくと、次の見直しがしやすくなります。クリエイティブも、配信開始時に作って終わりではなく、反応を見ながら改善する対象です。
初期設定に進む前のチェックリスト
- 増やしたい行動を、購入・申込みなどの具体的な言葉で説明できる
- 届けたい相手の悩みと、申込みを迷う理由を整理した
- 広告の訴求とLPの説明に食い違いがない
- 予算と目標CPAの考え方を決めた
- ボタンクリックと申込み完了を区別して計測できる
- 結果を確認する担当者と、改善の記録方法を決めた
この6つを整理してから、アカウント作成や配信設定に進みましょう。準備段階で決めたことは、配信後に「どこを、なぜ直すか」を考える基準になります。