ハンドクリームを塗っても、手のかゆみやひび割れが繰り返し起きていませんか。家事や仕事で水に触れる機会が多く、ケアの方法に迷う方もいるでしょう。
手荒れが長引くときは、乾燥だけでなく、刺激やアレルギーによる炎症が関係する場合があります。保湿を増やすだけでは、症状に合った対処にならないかもしれません。
この記事では、手荒れが治らない原因と日常のケアを解説します。塗り薬の役割や受診の目安も紹介しますので、今の対処を見直す際にお役立てください。
この記事の目次
手荒れが治らない原因には刺激やアレルギーがある
手荒れは、乾燥やひび割れなど、手の皮膚の状態を表す言葉です。赤みやかゆみを伴う場合には、手湿疹という炎症性の病気も考えられます。
手湿疹の原因には、水や洗剤に繰り返し触れる刺激があります。保湿をしていても、刺激を受ける機会が多いと、症状が長引く場合があるでしょう。
手袋の成分や金属などへのアレルギーが関係する場合もあります。アトピー性皮膚炎がある方では、皮膚が刺激を受けやすく、複数の原因が重なることもあります。
ただし、かゆみや皮むけがあれば、すべて手湿疹というわけではありません。手白癬という手の水虫などでも似た症状が出るため、診察で原因を確かめることが大切です。
手荒れが治らないときは生活への支障も受診の目安になる
保湿を続けても改善しない場合や、良くなってもすぐに悪化する場合は、皮膚科に相談しましょう。ひび割れの痛みで洗い物や仕事が難しい場合も、受診を検討する目安です。
手湿疹のある皮膚に細菌などの感染が加わると、炎症が悪化する場合があります。急に痛みが強くなったり、皮膚から液が出る症状が増えたりしたときは、早めに医療機関へ相談してください。
手の症状が急に悪化し、熱っぽさや寒気もある場合は速やかに相談してください。強いだるさを伴う場合も同様です。一方、皮膚から液が出るだけでは、感染しているとは判断できません。
受診までの日数を一律に決めるのではなく、悪化の程度と生活への影響を確認しましょう。
手荒れが治らないときは水仕事と保湿を見直す
水や洗剤に直接触れる機会を減らす

食器洗いや掃除では、扱う洗剤や作業に合う防水性の手袋を使いましょう。手袋の内側は清潔で乾いた状態に保ち、ぬれたら交換してください。
長く着ける場合は、綿の内手袋を併用する方法があります。ただし、手袋の成分でかぶれる方もいるため、着けた後の赤みやかゆみは皮膚科で相談しましょう。
家族に洗い物を分担してもらうなど、水に触れる時間を減らす工夫も考えられます。手袋だけに頼らず、負担の大きい作業を見直してください。
手洗いでは洗浄剤をよくすすぎ、指の間までやさしく水分を拭き取りましょう。感染予防に必要な手洗いは続け、洗った後の保湿と組み合わせてください。
手洗い後に保湿し、刺激の少ない製品を選ぶ

保湿は就寝前だけでなく、手洗い後や乾燥を感じたときにも行いましょう。外出先でも使えるよう、持ち歩くかばんに保湿剤を用意する方法があります。
塗るタイミングに加えて、製品の選び方も見直してください。香料がアレルギーの原因になる方もいるため、香料を含まないクリームや軟膏が選択肢になります。
ただし、無香料でもすべての方に合うとは限りません。塗った後に赤みや刺激が続く場合は使用を控え、医師や薬剤師に相談しましょう。
保湿剤が付いた衣類やタオルは燃えやすくなるため、火気に近づけないよう注意してください。
手荒れが治らないときの塗り薬は症状に合わせて選ぶ
塗り薬は、名前よりも「何のために使う薬か」を確認することが大切です。乾燥へのケアと赤み・かゆみを伴う炎症への治療では、使う薬の役割が異なります。
乾燥には保湿や皮膚保護を目的とした薬を使う
医薬品の白色ワセリンは、皮膚を保護するために使われます。また、ヘパリン類似物質を含むヒルドイドソフト軟膏0.3%は、皮脂欠乏症などに使われる保湿薬です。
保湿薬を選ぶ際も、皮膚の状態に合っているか確認しましょう。ヒルドイドは、皮膚がむけてただれた部分などへの直接塗布を避ける必要があります。
出血しやすくなる病気がある方など、ヒルドイドを使えない場合もあります。手元にある薬を自己判断で選ばず、症状と持病を伝えて相談してください。
手湿疹の赤みやかゆみには炎症を抑える薬を使う
手湿疹と診断された場合は、炎症を抑えるステロイド外用薬が治療に用いられます。赤みやかゆみの改善を目指す薬で、乾燥へのケアだけでは足りない場合に役立ちます。
具体例は、ベタメタゾン吉草酸エステルを含むリンデロン-V軟膏0.12%です。湿疹・皮膚炎群に使われますが、手の水虫などに自己判断で使う薬ではありません。
薬の強さや塗る量は、症状に合わせて医師が判断します。回数や使用期間も確認が必要です。処方時には、どの部分に塗り、改善後はどうするかまで確認しましょう。
長期連用などで皮膚が薄くなる場合はありますが、副作用だけを理由に必要な治療を避ける必要はありません。指示された使い方を守り、不安な点は医師や薬剤師に確認してください。
改善しない場合や悪化した場合は、漫然と塗り続けず処方元へ相談しましょう。リンデロン-Vの添付文書では、その場合に使用を中止するよう定められています。
手荒れの受診前には症状と触れているものを整理する

診察では、発症時期や普段触れているもの、仕事・生活の状況を確認します。原因を探るための情報として、次の内容を医師に伝えましょう。
- 症状が始まった時期と、悪化しやすい作業
- 普段使っている洗剤や手袋、保湿剤の名前
- 使った塗り薬と使用期間、症状の変化
伝え忘れを防ぐ工夫として、メモや製品表示の写真を用意してもよいでしょう。処方薬は、お薬手帳を見ながら確認する方法もあります。
手袋や保湿剤などへのアレルギーが疑われる場合は、パッチテストを検討します。皮膚に原因候補の物質を貼って反応を調べる検査で、必要性は診察で判断されます。
手荒れが治らないときは保湿と治療の両方を見直す
手荒れが続く場合は、保湿不足と決めつけず、刺激や炎症への対処も確認しましょう。手洗い後の保湿と水仕事での保護を続け、改善しない場合は皮膚科へ相談してください。
塗り薬は、保湿・皮膚保護と炎症治療の役割を理解して使うことが大切です。医師や薬剤師と使い方を確認し、症状と日常生活に合った対策を考えましょう。
