「目薬をさそうとすると目を閉じてしまう」「目の周りに液が流れて、入ったか分からない」。毎日の点眼で、こうした迷いはありませんか。

目薬は、下まぶたを軽く引いてできるスペースに落とします。黒目の中央を狙う必要はありません。点眼後に液があふれても、目に入っていれば失敗とは限らないため、すぐに追加せず状況を分けて考えましょう。

この記事では、成人が自分で目薬をさす手順から、うまく入らない場合の対処までを解説します。複数の目薬を使う間隔や、コンタクト装着時の注意点も取り上げます。手元の薬に個別の指示がある場合は、その指示を優先してください。

この記事の目次
  1. 目薬の基本的な差し方
  2. 手を洗い、使う薬と量を確かめる
  3. 下まぶたを引き、できたスペースに落とす
  4. 点眼後は、まばたきせず静かに目を閉じる
  5. 目薬がうまく入らないときは、姿勢と液が落ちた場所を見直す
  6. 上を向きにくいなら、仰向けでさす方法もある
  7. 目に入らなかった場合と、入った後にあふれた場合を分ける
  8. 2種類以上の目薬は、間隔をあけて使う
  9. コンタクトをつけたまま使えるかは、目薬によって異なる
  10. 開封後の使用期限と保管方法にも注意する
  11. 容器の使用期限と、開封後に使える期間は別
  12. 冷蔵庫に入れればよいとは限らない
  13. 差し方を整えても症状が続く場合は、眼科へ相談する

目薬の基本的な差し方

点眼前に手を洗う場面のイメージ(AI生成)

目薬をさすときは、狙った場所に落とすだけでなく、容器を清潔に扱う点も大切です。ここでは「準備」「薬液を落とす動作」「点眼後」の順に、基本の手順とその理由を説明します。

手を洗い、使う薬と量を確かめる

まず、せっけんと流水で手を洗います。まぶたに触れる手と、薬液の出口になる容器の先端を清潔に保つことが大切です。キャップを外した後も、先端には指を触れさせないようにしてください。

点眼前には薬の名前と、左右どちらの目に使うかを確かめましょう。処方薬は薬袋、市販薬は説明書に記載された量・回数に従います。通常は1滴で十分ですが、使用量は製品や処方によって異なります。手元の薬に別の指定があれば、そちらを優先してください。

下まぶたを引き、できたスペースに落とす

上を向き、目薬を持っていない手で下まぶたを軽く引きます。薬液を落とすのは、まぶたと眼球の間にできるスペースです。黒目に直接当てようとする必要はありません。

容器を近づけすぎると、先端が目やまつ毛に触れやすくなります。接触によって細菌などが入り、薬液が汚染されるおそれがあるため、先端が触れない位置から点眼しましょう。

点眼後は、まばたきせず静かに目を閉じる

薬液が入ったら静かに目を閉じ、目頭を軽く押さえて約1分待ちます。目頭を押さえるのは、薬液が鼻の方へ流れるのを抑えるためです。薬を広げようとして、何度もまばたきをする必要はありません。

強く押さえるのではなく、指を軽く当てる程度にします。ただし、目の手術後は押さえずに閉眼するよう案内される場合があるため、担当医の指示に従ってください。

目の周りにあふれた液は、清潔なティッシュやガーゼで拭き取ります。点眼が終わったら、キャップを閉めましょう。

目薬がうまく入らないときは、姿勢と液が落ちた場所を見直す

鏡のある落ち着いた場所で点眼の準備をする場面のイメージ(AI生成)

うまく入らない原因を探るには、まず点眼時の姿勢と、液が落ちた場所を振り返りましょう。首を反らしにくい場合には別の姿勢を選べます。また、頬に落ちた液と目に入ってからあふれた液では、さし直す必要があるかどうかが異なります。

上を向きにくいなら、仰向けでさす方法もある

首を後ろに倒す姿勢が取りづらい場合は、仰向けになって点眼する方法もあります。座った姿勢にこだわらず、下まぶたを引いて薬液を落とせる姿勢に変えてみましょう。

容器を押せなかったり、位置が合わせにくかったりするときは、薬局へ容器を持参しましょう。使っている製品に合わせた操作の説明を受けられます。「うまくさせない」だけでなく、どの動作で困るかを伝えると相談しやすくなります。

目に入らなかった場合と、入った後にあふれた場合を分ける

薬液が目に入らず、頬などの皮膚へ落ちた場合は、拭き取ってから改めて点眼します。皮膚に落ちた液には異物が混じる可能性があるため、指で目へ戻したり、流し込んだりしないでください。

一方、目に入った後にあふれた液は、目にとどまりきらなかった分です。目に保持できる液の量には限りがあるため、外に流れたからといって全量が無駄になったわけではありません。何滴も追加しても効果が高まるわけではなく、あふれた液を拭き取れば十分です。

2種類以上の目薬は、間隔をあけて使う

異なる目薬の間隔を確認するためのタイマーのイメージ(AI生成)

異なる目薬を続けてさすと、後から入れた薬液によって、先の薬液が流れ出る場合があります。一般には5分以上の間隔をあけますが、薬によって別の指定があるため、処方時の説明や薬ごとの指示が優先です。

使う順番を案内されている場合は、その順に点眼しましょう。点眼液と眼軟膏を併用する場合、通常は眼軟膏を最後に使います。先に軟膏を入れると、後の薬液をはじいてしまうためです。

なお、ここでいう間隔は「別の薬を続けて使うとき」の待ち時間です。同じ目薬を朝・昼・夕などに使う回数の指示とは区別してください。

コンタクトをつけたまま使えるかは、目薬によって異なる

コンタクトケースと眼鏡、目薬のイメージ(AI生成)

コンタクトを装着したまま使えるかどうかは、目薬とレンズの種類によって異なります。「以前の目薬は使えたから」と、新しい薬も同じ扱いにするのは避けましょう。

レンズを外して点眼する薬では、再び装着するまでの時間も製品の指示に従います。複数の目薬であける間隔を、そのままレンズを戻す時間に当てはめることはできません。

処方薬を使う方は、診察時にコンタクトを使用していることを伝えてください。手元の説明書で判断できない場合は、薬局で製品名とレンズの種類を伝え、使い方を確かめてから点眼します。

開封後の使用期限と保管方法にも注意する

開封日を記録し薬を整理する場面のイメージ(AI生成)

使いかけの目薬を再び使う際は、容器の期限だけで判断しないようにしましょう。開封後の扱いは製品によって異なり、保管にも指定があります。期限の見方と、保管場所を選ぶ際の注意点を分けて確認します。

容器の使用期限と、開封後に使える期間は別

容器に印字された使用期限は、未開封で指定どおりに保管した場合の期限です。開封した後も、その日まで使えるという意味ではありません。開封日を記録し、製品の説明や処方時の指示に沿って使いましょう。

1回使い切りの製品では、液が残っていても保存せずに捨てるものがあります。例えば、医療用のヒアレインミニ点眼液には防腐剤が含まれていません。開封後1回で残液を廃棄する製品です。この薬には、容器の破片を除くため、点眼前に最初の1〜2滴を捨てる操作も指定されています。他の目薬に同じ操作を当てはめることはできません。

冷蔵庫に入れればよいとは限らない

目薬には、室温で保管するものと、冷所での保管が必要なものがあります。冷所保存の指定がなければ、冷蔵庫に入れる必要はありません。直射日光や高温を避け、指定された保管場所へ戻します。

薬液の濁りや異物など、いつもと違う状態が見られた場合は使用を避けてください。また、感染などを防ぐため、家族であっても目薬の貸し借りはしないことが大切です。

差し方を整えても症状が続く場合は、眼科へ相談する

診察室で相談する成人のイメージ(AI生成)
相談場面のイメージ(AI生成)

目薬がうまく入らないときは、薬を増やす前に、姿勢や薬液を落とす位置を見直しましょう。容器の操作や複数薬の順番で迷う場合には、使っている薬を薬局へ持参すると、具体的な説明を受けられます。

一方、症状が続く場合は、差し方だけの問題と決めつけないでください。眼科で、使っている薬と症状の経過を伝え、治療内容も含めて相談しましょう。量や回数を自己判断で増やすのではなく、今の治療を続けてよいか医師に確認するのが大切です。